ロシア語・イタリア語

ロシア語・イタリア語Russian/Italian


ロシア語

担当教員:八島 雅彦、後藤 クセーニヤ、シラヴァ スヴィトラーナ(2023年度春学期・秋学期)

ロシア語は現在主にロシア連邦においてつかわれている言語ですが、ソ連邦の言語だったこともあり、その使用範囲はロシア連邦をはるかにこえて広がっており、政治・経済の国際関係においても重要な言語の一つであるといえるでしょう。また、スラブ系言語のなかの中心的な言語でもあり、ロシア語を学ぶことによって得られる言語観の広がりは、おそらくみなさんの予想をはるかにこえるものがあると思われます。世界にはこんな言語があり、こんな言葉で日常生活を営んでいる人々がいるのだ、という素朴な驚きをロシア語の学習はきっと与えてくれることと思います。
ロシア語は文字が英語やフランス語とやや異なるため、初学者向けの授業(ベーシック1、インテンシブ1)は文字の「いろは」から始めることになります。その意味で、まったくの1からのスタートとなりますので、予備知識なしで始めることができます。もっとも、基礎が固まれば、あとは自習できますから、自習のできる基礎力の養成がこの初学者向けの授業の目標ということになります。また、その次のステップとして、中級レベルを目指すための力を養う授業(ベーシック2、インテンシブ2)が開講されています。履修を継続することで、ロシア語の着実な力を身に付けることができます。
言語の学習には言語そのものの構造を理解して学ぶ側面と、もう一つ、その言語をとりまく自然や人々の暮らしを 学ぶ側面があります。そこでロシアという国とそこに暮らす人々の文化や伝統についても学びます。
ロシア連邦の地球全体における位置づけや、ロシアという国の基本的な地理上の見方。歴史と宗教のおおまかな流れ。20世紀最大の事件の一つであるロシア革命の基本的な知識とその問題点。代表的なロシア人の紹介など、基本的なことを幅広く紹介していきたいと考えています。
ロシア語そのものに興味がある人、ロシア革命に興味がある人、ロシア文学に興味がある人、あるいはロシアのバレエや音楽やスポーツに興味がある人など、ロシアについて学ぼうとする人々の興味関心はさまざまかと思いますが、どんな方向に進むにせよ、これだけは知っていて損はない、という知識を、ロシア語の授業では提供したいと考えています。
SFCのロシア語のコースには、インテンシブコースとベーシックコースがあります。どちらのコースでも、日本語母語話者の教員と、ロシア語母語話者の教員とが一緒に授業を担当します。
 インテンシブコースは週4回開講の授業です。レベルには1と2があります。インテンシブ1の対象は初学者か、ベーシック1を修得した人です。インテンシブ2は、インテンシブ1かベーシック2を修得した人が対象です。インテンシブ2まで履修すれば、初級レベルのロシア語力を完成させて、中級レベルへのステップアップを目指すことができます。
ベーシックコースは週2回開講の授業です。レベルには1と2があります。ベーシック1は初学者が対象です。ベーシック2は、ベーシック1の修得者が対象です。ベーシック2まで履修すれば、ロシア語の基礎力は万全といえるでしょう。


ロシア語ベーシック履修者からのメッセージ

私はSFC入学当初から抱いていた「6つの国連公用語を読み書きできるようになりたい」という動機から、ロシア語を履修しました。初めて触れるキリル文字に当初は苦戦しましたが、授業での演習や課題、そして先生によるロシアの文化、文学、歴史に関する解説を通じてロシア語を学んでいく土台を身につけることができました。履修後も、辞書やインターネットなどの助けを借りながらではありながらも「自分はロシア語が読めるんだ」という自信から、書店や図書館でロシア関連の棚を訪れてみたり、ロシア関連のニュースに敏感になりました。 現在私はSFCで自然科学の分野で研究をしており、自身の研究活動の中でロシア語を使う場面は滅多にないにせよ、ロシア語を学ばなかった自分よりも、今の自分は広い視野で自身の研究分野や世界を見つめている自信があります。SFCの言語教育環境を最大限に活かすことは、その後の自分の進む道での視野を広めてくれるとともに、人生を豊かにする一助になると思います。

戸塚健介(総合政策学部2019年度卒業、政策・メディア研究科博士課程1年[2022年度春学期現在])


ロシア語ベーシック履修者からのメッセージ

文学や映画などのロシアや旧ソ連地域の芸術に興味があったこと、また北海道出身の私は高校在学中に北方領土在住の学生と交流する機会があり、その時の経験等がきっかけでロシア語の履修を選択しました。 ロシア語ベーシック1では文字の読み書きから丁寧に学びます。他の言語と異なりインテンシブやスキルなどはありませんが、独習できるレベルまで学ぶことができます。私自身ベーシック1の履修後、独学でロシア語を学びましたが、独習する上で授業で学んだ知識に大いに助けられました。 昨今の政治的状況から、日本のみならず世界的にロシア語及びロシア文化に対する反感が強まることも予想されます。しかしながら、言語を学ぶことは他者を理解することの第一歩であると考えています。逆説的ですが今こそロシア語を学ぶことをお勧めします。

村岡龍岳(環境情報学部2021年度卒業、カザン連邦大学に在籍中[2022年4月現在])

イタリア語

担当教員:三森 のぞみ、Patrizia Civitillo(パトリツィア・チヴィティッロ)

料理やファッション、サッカーなどを通して、イタリアは私たちにとってすっかり身近な国になりました。皆さんはすでに、日常生活の中でイタリア語を耳にしたり目にしたりしたことがあるはずです。イタリア料理といえば真っ先に思い浮かぶスパゲッティspaghettiやピザ(ピッツァpizzaはもちろん、ジェラートgelatoやパニーニpaniniも、もうおなじみの言葉です。ファッション雑誌やスポーツ雑誌には、カタカナ表記されたイタリア語があふれています。皆さんのあいだでも、ミラノMilanoのファッションに興味があったり、セリエA Serie Aのチームを応援している人がいるでしょう。また、イタリアは芸術と文化の国として知られています。フォルテforteやダ・カーポda capo、アカペラ(ア・カッペッラ)a cappellaやオペラoperaいった音楽用語は、すべてイタリア語です。古代ローマやルネサンスの歴史や美術に対する関心も衰えを知りませんし、イタリアの現代建築やインダストリアル・デザインは常に注目の的です。さらに、イタリアの政治や経済についても、以前に比べると報道される機会がずいぶんと増えてきました。こうしたイタリアの多彩な魅力を味わうため、今多くの日本人が実際にイタリアを訪れ、そして、熱心にイタリア語を学んでいます。
イタリア語の主な使用地域は、長靴型の半島とシチリアやサルデーニャといった島々からなる面積約30万km2のイタリア共和国、主な使用者はイタリア共和国に住む約6千万人のイタリア人たちです。フランス語やドイツ語、スペイン語と異なり、スイスの一部などを除けば、イタリア国外でイタリア語を日常的に使っている地域はあまりありません。また国内でも、一部ではドイツ語などを母語とする人々もいますし、サルデーニャ島には独自の言語が存在します。このようにイタリア語の使用人口は決して多くありませんが、上で述べたようなイタリアの歴史や文化、社会をより深く理解したいと思うならば、語学の学習を欠かすことはできません。
イタリア語は、古代ローマ人が使っていたラテン語の最も直接的な子孫です。文字の読み方はいわゆるローマ字読みと大体同じで、原則として語尾が母音で終わり、難しい子音が少ないため、発音の面から考えると、日本人にとって最も親しみやすい外国語の一つといえます。文法は複雑ですが、大変規則的な構造になっています。さらにイタリア語は、言語として成立した中世の頃からあまり大きく変化していないので、昔の人々が書いた文章でも比較的簡単に読むことができるという楽しみもあります。
SFCでは現在、イタリア語ベーシック1とベーシック2が開講されています(ベーシック2はベーシック1の修了者を対象とします)。ベーシックコースは、イタリア語の文法と会話の初歩を学び、イタリア語の最も基本的な言語コミュニケーション能力を養うことを主な目的としています。また、イタリアの歴史や社会事情を紹介する機会もできるだけ設け、イタリアに対する理解を深める手助けをしています。

Russian language

Faculty members: Masahiko Yashima, Ksenia Goto, Svitlana Shylova (in AY2023 Spring and Fall Semesters)

Currently, the Russian language is primarily spoken in the Russian Federation. However, as it was the official language of the Soviet Union, its range of use extends far beyond the Russian Federation, making it one of the important languages in international politics and economies. It is also a central language among the Slavic languages, and the breadth of linguistic perspectives that can be gained by learning Russian is probably far greater than you might expect. We are sure that those learning Russian will be genuinely surprised to discover that there is such a widely-spoken and influential language spoken by people to live out their lives.
Since the Russian alphabet is somewhat different from English or French, the Russian courses for beginners (Basic 1 and Intensive 1) start from the very basics of the Russian alphabet. In that sense, students are able to start without any prior knowledge. The goal of the beginner's courses is to develop the basic skills necessary for self-study so that students can study by themselves based on what they have learned. As the next step, two courses (Basic 2 and Intensive 2) are offered to develop the proficiency to reach an intermediate level of Russian. By continuing to take courses, students can acquire solid Russian language abilities.
There are two aspects of learning a language: understanding and learning the structure of the language itself; and learning about the nature and the lives of people surrounding the language. Students learn about the culture and traditions of Russia and its people.
Our aim is to introduce a wide range of basics on Russia overall, which include the following topics: how the Russian Federation is situated in a global context; a basic geographical view of Russia; its history and religion; basic knowledge of and issues surrounding the Russian Revolution, one of the biggest uprisings in the 20th century; and well-known Russian figures.
Fields of interest may vary among students who wish to learn about Russia. Some may be interested in the Russian language itself, the Russian Revolution, Russian literature, ballet, music, or sports. The Russian Language Lab aims to provide fundamental knowledge that is adaptable to any field they choose.
The SFC's Russian Language Lab offers an Intensive course and a Basic course. In both courses, native Japanese-speaking instructors and native Russian-speaking instructors teach the class together.
The Intensive course meets four times a week. There are two levels, Intensive 1 and 2. Intensive 1 is designed for beginners or those who earned credits from Basic 1. Intensive 2 is designed for those who earned credits from Intensive 1 or Basic 2. By earning credits from Intensive 2, students will have achieved beginner-level Russian and can aim to reach an intermediate level.
The Basic course meets twice a week. There are two levels, Basic 1 and 2. Basic 1 is designed for beginners. Basic 2 is designed for those who earned credits from Basic 1. By earning credits from Basic 2, students can build a solid Russian language foundation.


ロシア語ベーシック履修者からのメッセージ(only in Japanese)

私はSFC入学当初から抱いていた「6つの国連公用語を読み書きできるようになりたい」という動機から、ロシア語を履修しました。初めて触れるキリル文字に当初は苦戦しましたが、授業での演習や課題、そして先生によるロシアの文化、文学、歴史に関する解説を通じてロシア語を学んでいく土台を身につけることができました。履修後も、辞書やインターネットなどの助けを借りながらではありながらも「自分はロシア語が読めるんだ」という自信から、書店や図書館でロシア関連の棚を訪れてみたり、ロシア関連のニュースに敏感になりました。 現在私はSFCで自然科学の分野で研究をしており、自身の研究活動の中でロシア語を使う場面は滅多にないにせよ、ロシア語を学ばなかった自分よりも、今の自分は広い視野で自身の研究分野や世界を見つめている自信があります。SFCの言語教育環境を最大限に活かすことは、その後の自分の進む道での視野を広めてくれるとともに、人生を豊かにする一助になると思います。

戸塚健介(総合政策学部2019年度卒業、政策・メディア研究科博士課程1年[2022年度春学期現在])


ロシア語ベーシック履修者からのメッセージ(only in Japanese)

文学や映画などのロシアや旧ソ連地域の芸術に興味があったこと、また北海道出身の私は高校在学中に北方領土在住の学生と交流する機会があり、その時の経験等がきっかけでロシア語の履修を選択しました。 ロシア語ベーシック1では文字の読み書きから丁寧に学びます。他の言語と異なりインテンシブやスキルなどはありませんが、独習できるレベルまで学ぶことができます。私自身ベーシック1の履修後、独学でロシア語を学びましたが、独習する上で授業で学んだ知識に大いに助けられました。 昨今の政治的状況から、日本のみならず世界的にロシア語及びロシア文化に対する反感が強まることも予想されます。しかしながら、言語を学ぶことは他者を理解することの第一歩であると考えています。逆説的ですが今こそロシア語を学ぶことをお勧めします。

村岡龍岳(環境情報学部2021年度卒業、カザン連邦大学に在籍中[2022年4月現在])

Italian language

Faculty members: Nozomi Mitsumori, Patrizia Civitillo

Many are familiar with Italy through its food, fashion, or soccer. You are likely to have encountered the Italian language in your day-to-day life. Everyday words for Italian food immediately come to mind like spaghetti, pizza, gelato, and panini. Even in Japanese, fashion and sports magazines are full of Italian words written in the phonetic script for foreign words, katakana. We have no doubt that some Keio students are interested in the fashion of Milan or are fans of a team in the Serie A. Italy is also known as a country of art and culture. Musical terms, such as forte, da capo, a cappella, and opera, are all Italian. Interest in the history and art of ancient Rome and the Renaissance continues unabated, and contemporary Italian architecture and industrial design have always been prominent. In addition, more news on Italian politics and economy is reported in Japan than ever before. Many Japanese visit Italy and learn Italian eagerly to enjoy this diverse array of attractions.
The Italian language is mainly spoken by approximately 60 million Italians living in the Republic of Italy, an area of about 300,000 km2 consisting of a boot-shaped peninsula and islands including Sicily and Sardinia. Unlike French, German, and Spanish, there are not many areas outside of Italy where Italian is spoken on a daily basis, except in some areas of Switzerland. In addition, there are people in Italy whose native language is German, and Sardinia has its own language. Therefore, the number of people who use Italian is not large, but learning the language is essential if you want to better understand Italian history, culture, and society.
Italian is the most direct descendant of Latin spoken by the ancient Romans. The letters are pronounced in an almost identical manner to the Roman alphabet. In general, words end with vowels and have few difficult consonants, so Italian is considered to be one of the most similar languages to Japanese in terms of pronunciation. The grammar is complex but has a regular pattern in structure. In addition, as Italian has not changed much since it was established as a language in the Middle Ages, people can enjoy reading texts from these times relatively easily.
SFC currently offers the Italian Basic 1 and Basic 2. Basic 2 is for students who completed Basic 1. In the Basic course, students learn the rudiments of Italian grammar and conversation, and develop extremely basic communication skills. We also provide students as many opportunities as possible to learn Italian history and society to deepen their understanding of Italy.